第1回講座の、ゲストトークについてもレポートです。
ゲストは東京都立大学都市環境学部教授の饗庭 伸さん。
『東京郊外を耕すまちづくり』をテーマに、
東京郊外のまちづくりについて、
そしてこれからのまちづくりのあり方を、
具体的な事例を交えて紹介してくださいました。

前半は、東京郊外の面白さ、独自性を、
少しアカデミックな視点も交えながらご紹介。
東京の郊外は全国的な傾向とは異なり、
人口や世帯数がまだ維持されていくこと、
社会問題として捉えられている空き家の活用に余地があること、
長期間にわたる段階的な都市形成や、公共インフラの充実により、
多様な暮らしを支える基盤があることなど、
この地域の可能性に触れることができました。

後半は、具体的な実践例として、
国立市谷保の甲州街道沿いにある「やぼろじ」をご紹介いただきました。
長く空き家になっていた古民家を、
「この場所で何ができるか」という視点に立ちながら、
地域住民や、まちで起業したい人たち、そして所有者さんも交えながら、
共同で利用する計画を模索・実践していくプロセスは、
小さく地域にインパクトを与える身近で面白い事例でした。

まちづくりにおいて重要なのはもちろん「お金」もそうですが、
「人」「もの」「情報」など多様な資源であることや、
こくカレのように対話を通じて多くの人たちとつながり、
協力し合っていくことが大切であることを教えていただきました。
受講生の皆さんそれぞれにどのような気づきがあったのか、
今後の講座の中で浮かび上がってくることが楽しみですね。